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マグネシウム:欠乏症が広範囲にわたり、重度の関連障害を伴う

デイヴィッド ネイヤー著

国立衛生研究所によると、

「マグネシウムは体内で行われる300以上の生化学反応において必要とされる物質で、正常な筋肉や神経機能の維持、心拍を一定に保つ、免疫系統の健康をサポートする、また骨を強くするなどといったことに役立てられています。 マグネシウムは血糖値の調整を助け、エネルギー代謝とタンパク質の合成にも利用されています。 また、“高血圧、心臓血管の疾患、糖尿病などといった病気の予防や治療にもマグネシウムが役立つ“といった見解を支持する人も増えてきています。」

連邦政府が推奨するマグネシウムの1日摂取量は、成人男性で420mgですが、多くのアメリカ人はそんなに摂取していないそうです。
マグネシウムは非常に安価な栄養サプリメントです。 しかし、これほど多くの人がマグネシウム欠乏に陥っているという事実は、今日の保健機構が破綻していることを意味しています。

■マグネシウムとは?

マグネシウムは、体内にあるミネラルでは4番目に多く、健康には欠かせません。体内のマグネシウムの約50%は骨にあります。残り(50%)は主に、組織や臓器の細胞内に存在しています。 血液中のマグネシウムは全体のわずか1%ですが、血中マグネシウム値を一定に保つために体は大変な活動をしているのです。
マグネシウムは、300以上の生体化学反応に必要とされています。 (文頭の衛生研究所の発表を参照ください。口から摂取されたマグネシウムは小腸で吸収され、腎臓を通って体外へ排出されます。

■メタボリックシンドロームと糖尿病

かなりの数のアメリカ人が糖尿病やメタボリックシンドロームに冒されています。 これらの病気は、血糖代謝異常がひどく、心臓血管疾患のリスクが一気に増加するとされています。 事実、全人口(訳注;アメリカ国内)の7%が糖尿病、20%以上がメタボリックシンドロームであるとみられています。研究では、マグネシウムがこれらの症状から守る重要なはたらきをすると思わせる有力な情報が得られています。
メタボリックシンドロームは、インスリン耐性が特徴で、筋肉、肝臓または脂肪組織がインスリンの信号に正常に反応することができず、細胞にブドウ糖を送れなくなるのです。 その結果、血中のブドウ糖とトリグリセリド値は上がり、善玉コレステロールのHDLが下がり、血圧は上がります。 健康体の成人1000人以上を5年間調査した疫学研究では、マグネシウムの摂取量が多いほどインスリン感受性が高まるという関連性を発見しました。

別の有力な研究では、健康な若い成人のマグネシウムの摂取、およびメタボリックシンドロームの進行と体内マグネシウム量との関係を調査しました。 この研究では、18歳〜30歳のアメリカ人約5,000人を15年間にわたり調査し続けました。結果に影響を与えると思われる他の要因などを考慮・調整した結果、マグネシウムの摂取量が上位25%だった人達のメタボリックシンドローム発症リスクは、31%少なくなっていました。 他にも、マグネシウムの摂取量が多い人ほど血糖値は低く、胴周りは細く、善玉コレステロール(高比重リポタンパク:HDL)は多いといった関連性が認められました。 マグネシウムをたくさん摂取すればするほど、メタボリックシンドロームの予防効果が高まるのではないかと、この研究論文は結論づけています。

ノースウェスタン大学の調査研究によると、マグネシウムは善玉コレステロール値を増やし、トリグリセリドを下げて、都合よくブドウ糖の恒常性、インスリンの活動と分泌を刺激することで、メタボリックシンドロームの要因数種にはたらきかけることができるそうです。マグネシウムの摂取増量は、高血圧の予防にも関連しています。 高血圧もメタボリックシンドロームの要因のひとつです。

ハーバード大学の調査員のレポートによると、ホウレン草、アーモンド、全粒パンなどをふんだんに使った、マグネシウムが豊富な食事は、タイプ2糖尿病の進行をかなり食い止めることができるそうです。 研究員は、女性85,000人、男性42,000人をそれぞれ18年間と12年間追跡したところ、追跡期間中に5,400人がタイプ2糖尿病を発症しました。体重オーバー、高齢、少ない運動量、喫煙などといった糖尿病のリスクファクターが多数みられる人でさえ、マグネシウムの摂取量が最高だった人達はタイプ2糖尿病の発症が34%も低かったのです。
マグネシウム欠乏には、慢性糖尿病合併症(網膜症、腎症、神経障害、足潰瘍など)との関連性があります。 このことは、現在糖尿病を患っている方は慢性合併症を避けるためにも自身のマグネシウム状態に注意を払っておく必要があることを物語ります。

マグネシウムについて知っておいて欲しいこと
●マグネシウムは体内ミネラルの中でも特に多く、数百もの必須生化学反応に必要とされる。 しかし成人の多くはマグネシウムを充分に摂取しておらず、病気になりやすくなっている。
●有力な研究では、マグネシウムがメタボリックシンドロームとタイプ2糖尿病の予防に役立つとみられている。 マグネシウムは、低HDLや高血圧など、メタボリックシンドロームの要因を撃退する助けとなるそうだ。
●マグネシウムは心血管系統を保護する様々なメカニズム内で活躍し、不整脈を予防したり、うっ血性心不全の発症や炎症を抑えたりする。
●マグネシウムには老化に伴い低下する記憶力を最適化するパワーがあるとする、興味深い研究もいくつかなされている。
●マグネシウム補給は、偏頭痛の回数および程度を緩和することが明らかにされている。 マグネシウム点滴は、急性の偏頭痛緩和に効果的である。
●マグネシウムは健康で強い骨に欠かせないもので、全ての年齢層にとって重要な物質だ。
●他にもマグネシウムは、喘息や結腸癌を予防したり、ADHD(注意欠陥他動性障害)のお子様の異常活動を抑えたりするのにも利用されている。
●マグネシウムの安全性は高いが、多量摂取は胃腸障害につながることが確認されている。

■心臓血管の健康

メタボリックシンドロームと糖尿病は心臓と心臓血管の健康を脅かす2大疾病ですが、それらに対抗できるマグネシウムは、それだけでも十分に心臓血管の健康に役立っているといえるでしょう。 しかし、マグネシウムの威力はそれだけではないのです。マグネシウムは他にも心臓血管に良い作用があることが、研究で明らかにされています。 

ホノルル・ハートプログラムは、ハワイに住む日本人男性のマグネシウムの摂取と冠状動脈性心臓病の発症との関連性を調査しました。多数ある心臓血管病リスクファクターを考慮・調整して結果をみたところ、マグネシウムの摂取量が低かった人達の冠状動脈性心臓病発症率は50〜80%も高くなっていました。

マグネシウムは心拍リズムを最適に保つよう助けることで、心臓を更に健康にするようです。 アメリカンジャーナル・オブ・クリニカルニュートリションに発表された研究によると、閉経後の女性でマグネシウム摂取が不足している人達は、心拍リズムに異常がみられるケースが多くなっていました(上室性期外収縮)。

マグネシウムの補給は、うっ血性心不全の方の命を救う救世主となり得ます。 うっ血性心不全とは、心筋が弱って血液のポンプが機能せず、体に必要なだけの血液が供給されない状態のことをいいます。 統制された二重盲検実験では、79人にマグネシウムサプリメントか偽薬のいずれか、そして患者に合った心血管薬を1年間投与しました。 マグネシウムグループは、最初の1ヶ月間はオロチン酸マグネシウムを6,000mg(元素マグネシウム390mg配合)、その後11ヶ月間は3,000mg(元素マグネシウム195mg配合)を投与されました。 1年後、偽薬グループの52%に比べて、マグネシウムグループの76%が生存していました。 マグネシウムグループの39%は臨床症状が改善しましたが、偽薬グループの56%の症状が悪化しました。 このことより、マグネシウムサプリメントには、うっ血性心不全患者の症状を和らげ、生存率を高めるのに貢献する有力な治療補助剤となることが期待されます。

最近行われた別の実験では、マグネシウムとうっ血性心不全との関係を研究しました。 うっ血性心不全で入院している患者の血漿マグネシウム値とC反応性タンパク質(CRP;炎症の度合いを示す指標となる)を調べたところ、(病気でない人に比べて)ベースラインCRPは高く、マグネシウム値は低いことがわかりました。患者にマグネシウムを投与したところ、細胞間マグネシウムが増え、CRPは下がりました。このことより、マグネシウム治療でうっ血性心不全の予後が良くなる可能性があるという結論が出されました。

マグネシウムは炎症を抑え、酸化のストレスを和らげ、内皮機能不全を改善させる(これらは全て心臓血管病の影に潜む症状です)ことが確認されています。さらに、マグネシウムは血小板凝集の抑制を助けるため、血栓の予防にも役立つと思われます。
加齢時の心臓血管の健康維持には、マグネシウム値を最適に保つことが絶対必要です。

■記憶

MITの研究員が、マグネシウムの新しい役割についてレポートをしました。 それは、中年以降の記憶機能を維持するはたらきです。 この研究チームは、マグネシウムが学習と記憶に必要な脳レセプターを統制することを発見したのです。
レポートでは、「シナプスの柔軟性を保つには、脳脊髄液内のマグネシウムが適正値であることが必須であることが、今回の実験で証明されました。 成人アメリカ人の大多数がマグネシウムを充分に摂取していないと思われているが、このようなミネラル欠乏が悪影響を与え、しまいには記憶力の低下にも繋がりうることが予測できるでしょう。」

柔軟性は、脳の学習と記憶には欠かせません。 高齢者や病気の方の脳には柔軟性がないことは周知の事実です。 例えば、海馬(短期の記憶が記録される部分)のシナプスの柔軟性が低下すると、物忘れの原因にもなります。 加齢とともに物忘れが激しくなることを、多くの人が実感しています。

研究員は、マグネシウムがシナプスの機能を高めるという点に特に興味をおぼえました。 研究員の1人によると、マグネシウムの濃度を高めると、「柔軟性が今までにないくらい伸びた」5そうです。 ということは、マグネシウム欠乏が記憶力および学習能力に支障をきたすけれど、推奨摂取量以上、あるいは推奨量だけでも摂取していれば認識機能は改善できるのではないでしょうか?

マグネシウムは、他の様々なメカニズムも動員して、記憶の健康維持を支援します。 マグネシウムは、細胞と記憶をコントロールする脳細胞内の多くの酵素の活動が正しく行われるために必要とされます。 また、神経伝達物質を放出させるのにもマグネシウムが使われます。また、マグネシウムが、実験的に傷つけた脳の認識機能が回復するスピードを速める手助けをすることにも気づきました。
これらのことより、しばしば老化と関連してくる記憶力の低下を予防・回避する重要策が、マグネシウム値を常に最適に保つことであると言えるのではないでしょうか。
 
■偏頭痛

マグネシウムは、成人にみられる痛みの激しい、体力も消耗してしまう兆候である“偏頭痛”を和らげたり、予防したりする助けをするようです。多くの研究が、偏頭痛の程度と頻度は個人のマグネシウム量と関係しているという説を唱えています。
「偏頭痛の方の50%はマグネシウムが欠乏しています」と、Dr. アルトゥラ博士(ニューヨーク州立大学ダウンステート・メディカルセンター生理学、薬理学、および医学部教授:在ブルックリン、NY)は語ります。 マグネシウム欠乏には多くの原因が考えられます。 「偏頭痛患者の60%は、遺伝子の分散によってマグネシウムを効果的に代謝して体内に送り届ける機能が妨げられているのです」と、Dr. アルトゥラは説明します。

これらの患者に点滴でマグネシウムを体内に入れると、急性偏頭痛は直ちに消え、その状態が続くのです。Dr. アルトゥラらの実験によると、イオン化マグネシウムを点滴したところ、15分以内で偏頭痛患者の80%以上の痛みが明らかに軽減されました。同Dr.の別の実験では、マグネシウム点滴で、吐き気や光恐怖(過敏)症などの偏頭痛によって引き起こされる症状が完全に消えたそうです。(マグネシウム点滴は病院で受けるものです)

マグネシウムは、脳の血管をリラックスさせ、カルシウムが血管を収縮させないようにすることで、偏頭痛にはたらきかけるのです。
何事も治療より予防するほうが好ましいものですが、偏頭痛に関していえばなおさらです。 幸い、マグネシウムの経口摂取で偏頭痛の頻度と期間を軽減できることが証明されています。マグネシウムは月経性偏頭痛の予防にさえも力を及ぼしています。 月経性偏頭痛とは、妊娠可能期にある女性にみられるもので、非月経性偏頭痛より頻繁かつ激しい傾向にあります。また、偏頭痛がみられる場合、神経関係の症状が重くなることと低マグネシウムの間には相互関係があるため、偏頭痛の疑いがある方はマグネシウムを充分に摂取するよう常日頃心がける必要があります。
 
専門家達の意見: マグネシウムは健康に不可欠である
マグネシウムは体内ミネラルの中で4番目に多い物質で、どの金属よりも多い300以上の生命維持酵素反応の補因子となっています。 その守備範囲は心臓から骨まで幅広く、体の基盤となるシステムや構造の多くがマグネシウムに頼っているのです。 バーナード アルトゥラ氏によると、マグネシウムは強い骨の維持を助け;心臓の神経筋活動コントロールを助けるため、規則正しい心拍にも必要とされ;狭心症のリスクを軽減し;血糖値と血圧を正常に保つ助けをし;神経系の機能を正常に保つそうです。
 
マグネシウム欠乏は普通で、病気のリスクは高まる
マグネシウムの健康維持作用にもかかわらず、最新の国民健康栄養調査結果によると、アメリカ人の多くが、推奨量のマグネシウム(男性420mg、女性320mg)を摂取していないことがわかりました。37 マグネシウム欠乏は、喘息、不安症、心臓病などといった様々な症状に繋がっています。 しかし不思議なことに、多くのアメリカ人はマグネシウムが不足しているのにアメリカ国内ではマグネシウム欠乏に関する症状はそれほど確認されていないのです。 「マグネシウムは様々な生理反応に必要とされるため、体にはマグネシウムを蓄積しようとする機能が備わっているのです。 だから、たとえほとんどのアメリカ人が推奨量のマグネシウムを摂取していなくても、すぐにマグネシウム欠乏関連症状がみられるわけではないのです」と、キャサリン L タッカー博士(タフツ大学フリードマン栄養科学スクール 栄養疫学教授)が説明してくれました。

Dr. タッカーは、マグネシウムに関する兆候は外見的にはほとんど見られないものの、マグネシウムが不足すると色々な問題が起こると警告します。 「じっくり時間をかけて兆候があらわれるようなタイプの欠乏症の原因となっています。 細胞が適切に機能するだけのマグネシウムが細胞にゆきわたらないと、細胞は壊れます。 それが最終的に色々な病状となってあらわれるのです。」
「マグネシウムの研究をしている私達からみると、マグネシウムの不足による弊害は高血圧、骨粗鬆症、アテローム性動脈硬化などいろいろあるように思えるのです」と、ロバート ルード医学博士(在南カリフォルニア大学ケックメディカルスクール)は語ります。

■健康な骨

マグネシウムは骨の基質を構成するミネラルのひとつで、強くて健康な骨をつくる助けをします。 事実、マグネシウムは骨粗鬆症の予防に必要不可欠な要素です。 骨粗鬆症とは骨量と骨密度が減る病気で、これになると骨折しやすくなります。 骨のマグネシウム量が減ると、骨の結晶は大きく、もろくなるのです。

アメリカンジャーナル・オブ・クリニカルニュートリション誌に掲載された2件の独立した研究実験では、不適切なマグネシウム摂取が骨のミネラル量を下げた一方で、食事でマグネシウムを充分に摂取した場合 骨のミネラル密度が増え、それが骨粗鬆症とそれに関連した骨折のリスクを軽減することに繋がることを発見しました。「どちらの実験も、マグネシウムを多く摂取すればするほど骨のミネラル密度も高くなります」と、キャサリン L. タッカー博士(前出)は話しています。 マグネシウムはビタミンDとカルシウムが体内で正しく活用されるのに必要で、またビタミンDもカルシウムも健康な骨には欠かせない物質です。

マグネシウムが骨に与える健康効果のひとつに、骨の代謝速度を落とすものがあるようです。 骨の代謝速度とは、古くなった骨に代わって新しい骨がつくられる速度をいいます。 骨の再吸収量の増加は加齢による骨喪失の主たる原因であり、骨が喪失すると骨減少や骨粗鬆症などが引き起こされます。

最近の動物実験で、マグネシウムが骨の正常な形成と成長にとって大事であり、食事中のマグネシウムを50%減らすと、骨とミネラルの代謝が著しく悪くなることがわかりました。 おもしろいことに、血中マグネシウムが一定であったのに関わらず、骨のミネラル量は大幅に減っていました。

ジャーナル・オブ・クリニカルエンドクリノロジー&メタボリズム誌に掲載された研究によると、マグネシウムを若い男性にサプリメントで補給したところ、骨の代謝速度が下がったことがわかったそうです。 この研究をした研究員達は、「骨の代謝は骨喪失の重大要因とされているため、今回の発見で、経口でのマグネシウム補給が加齢に伴う骨粗鬆症などといった、骨の高代謝に対して何らかの好転反応を与えてくれるのではという可能性が浮かび上がってきました」という言葉でレポートを閉めています。

イエール大学のメディカルスクール研究員が行った類似の実験では、300mgのマグネシウムを1年間補給したところ、10代の健康な少女達の骨ミネラル量が増えました。 特に思春期に骨量を高めておくのは、将来的に骨粗鬆症の予防となると、第一研究員のトーマス O. カーペンター医学博士は考えています。今回の実験では特に、マグネシウムの摂取が足りていなかった少女達に最も高い効果がみられたようです(Dr. カーペンター談)。

子供の骨形成は、生まれるずっと前から始まっているようです。 オステオポロシス・インターナショナル誌に掲載された研究によると、母親のマグネシウム摂取は子供の骨ミネラル量に直接関係しているそうです。
これらの結果を合わせてみると、マグネシウムが全ての年代において強靭な骨の形成と維持に欠かせないことがわかります。
 
■マグネシウムと重大な病気

マグネシウムの欠乏は多くの致命的状況を悪化させるおそれがあると、ジャーナル・オブ・インテンシブケアメディシン誌の記事は書いています: 「マグネシウム欠乏は重病人に多く見られ、死亡率の上昇やICU治療室における症状悪化などとも関連しています」

臨床実験で得られた結果は、マグネシウム欠乏が急性冠不全症候群、低カリウム症(命に関わることもある危険な症状)、テタニー(異常なほどの低カルシウムによる症状が集合したもの)、および急性脳虚血(卒中などといった多くの病気の後に起こる血流が低下した状態)などにおいて重要な意味をもつことを疑わせてくれます。

これらのような命をも脅かすような極端な状況を避けるには、マグネシウムを上手に摂取することが得策かもしれません。
 
■喘息・ガン・注意欠陥多動性障害(ADHD)

マグネシウム補給で改善が期待できる症状は他にも次のようなものが考えられます。

喘息:
マグネシウムは喘息を起こしやすい方に特に有効と思われます。食事によるマグネシウム摂取量が少ないことと喘息発生率の増加の間に関連性があることが、研究でわかりました。また、マグネシウム点滴が、喘息の急性発作に効果的という結果も得られています。30 マグネシウムは、太い気管支の拡張を促すことで、喘息の症状を相殺するのではないかと、科学者たちは考えています。

ガン:
ミネソタ大学公衆衛生学部の研究員らは、マグネシウムが豊富な食事が結腸ガンの発生率を低下させたことに気づきました。この発見は、過去にスエーデンで行われた、マグネシウムの摂取量が最も多い女性は、最も少ない女性よりもガンのリスクが40%も低いことを証明した実験結果を肯定します。

注意欠陥多動性障害(ADHD):
マグネシウムリサーチに発表された実験によると、毎日200mgのマグネシウムを6ヶ月以上与えて、マグネシウムを与えない子供達のグループと比較したところ、マグネシウムを与えた子供達の多動症に大きな改善がみられました。この実験に参加した子供は全員、実験開始時にADHDの診断基準とされている精神疾患分類・診断マニュアル(DSM IV)に忠実に従って検査されました。
 
■マグネシウム摂取を増やす

Dr. アルトラによると、マグネシウム不足を解消する最良の方法は食事の改善だそうです。 ナッツ、濃い緑色の葉野菜、豆類、全粒穀類、一部の魚など、高マグネシウム食品は多数あり、これらはすべて健康食としても知られています。 「オメガ3脂肪酸を多く含む魚には、マグネシウムも多く含まれています」(Dr. アルトラ) 水からもマグネシウムを摂取することができますが、その含有量は水源によってかなり異なります。
加工食品はミネラルやビタミンが欠乏しがちです。 アメリカ人は加工食品をたくさん食べているため、マグネシウムを食事だけで補給するのは至難の業となっています(調理することでも食品中のマグネシウムは失われます)。 これらのような状況対策には、マグネシウムサプリメントがいいでしょう。 男性のマグネシウム1日推奨摂取量は420mgで、女性は320mgといわれていますが、多くの専門家は1日500mg以上(成人対象)摂取するよう薦めています。

利尿剤、抗生物質、ガンの治療薬である抗新生物薬などといった特定の薬物は、マグネシウム欠乏を引き起こします。 これらの薬物を服用している方、もしくは潜在的な特定の健康障害がある方(クローン病、アルコール中毒、グルテン過敏症、腸疾患、高血糖など)は、マグネシウムの補給によってなんらかの改善が得られる可能性があるでしょう。

しかし、マグネシウムを極端に摂り過ぎると下痢や腹痛などといった副作用を引き起こすことがあります。 腎不全の方などは血液中に過剰に貯まったマグネシウムを排除することができないため、マグネシウム中毒を起こすおそれがあります。 マグネシウムをサプリメント摂取する際は、充分に注意してください。 過剰マグネシウムが引き起こす症状には、吐き気、下痢、食欲低下、筋力低下、過度な低血圧などがあります。
 
■結論

マグネシウムは、年齢を重ねるにつれて健康に欠かせなくなっていく物質です。
有力な実験・研究により、このミネラルが骨の健康、心臓の健康、神経系の正常な機能などを維持するうえで、極めて重要な役割を多数担うことが明らかにされています。 マグネシウムは、偏頭痛から喘息、またガンなど幅広い病気を相殺する助けにもなります。

しかし残念なことに、多くの高齢のアメリカ人にとって、食事だけでマグネシウムを充分に摂取するのは難しくなっています。ところが今では便利で安価なマグネシウムサプリメントというものがあるため、マグネシウム欠乏関連の障害リスクを予防することが簡単になっています。
 
 参考文書:ライフ・エクステンションマガジン
                  



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